duckblueの文化的生活

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KPOPを主に、音楽、書籍、映画etc... 文化的だと思われる色々について綴る、女子大生のブログ。

【読書感想文】 冨原眞弓 「ムーミンのふたつの顔」 を読んで

 

ムーミンにふたつの顔?怖い!と思った方もいるかもしれないが、ムーミンに闇があるとかそういう話ではない。

幼いころは、ムーミンの可愛さが全く分からず、むしろ不気味だと思っていたのに、年を重ねるにつれてなんとなく好きになっていった。

楽しいのかよくわからない表情、シンプルな形、奇妙だけどなんだか落ち着く雰囲気…

確かに大人の方が好きそうな要素がいっぱい。 

 

ムーミンのふたつの顔 (ちくま文庫)

ムーミンのふたつの顔 (ちくま文庫)

 

 

ふたつの顔、というのは、ヨーロッパでのムーミン、そして日本でのムーミン、という意味(他にも対比させていろんな意味をもつけど、主にはこれ)。前者では、ムーミンはまず新聞連載に始まるコミックスで人気を得たのに対し、後者では児童文学、またはテレビアニメで世間に知られるようになった。

 

ムーミンの生みの親であるトーベヤンソンについても深く掘り下げてある。父も母も芸術家で、兄弟もみんな冒険家気質。

毎日欠かさず描かなければならない新聞連載(数百本単位でストックがあるらしい)で、ネタがなくなり、これ以上続けようとするとムーミンが嫌いになりそう、と思ったトーベが、弟のラルスに続きを描かせた、というのが一番驚いた。だから、ムーミンコミックには、姉トーベが描いたものと、弟ラルスによるものがある。

 

しっかり読めなかったので、全てを理解したわけではないけど、私の知らないムーミンがたくさん出てきて新鮮だった。

筆者は、日本におけるムーミン受容を、児童文学とアニメから、としているけど、もう私世代になると、そのどちらでもなくて、雑貨でよくみるキャラクター、程度でしかないと思う。

この本のなかには、いくつかコミックスが載っていたり、話の筋が載っているけど、ムーミンが意外とわがままでおっちょこちょいだとは知らなかった。

それ以外にも、挿絵がたくさん載っているけど、個人的には「ムーミン谷の冬」の絵が一番綺麗だと思った。ダークなのにほのかに暖かくて素敵。

どことなく閉鎖的で、皮肉なムーミン谷を感じて、これが筆者の言う、「アナーキー」の意味なんじゃないかなと思う。

 

ジェンダー化されたムーミン という項も面白かった。ムーミンムーミンパパなんてシルクハットかぶってなかったら区別がつかないが、もともとはシルクハットをかぶってなかったそう。新聞連載に先立ち、それでは都合が悪い、と考えた新聞社の人が、パパにシルクハットを、ママにエプロンを着させることを提案した。これで、「これでもかというほど無性的(ジェンダーレス)」な「あけっぴろげな体型」がジェンダー化された。

 

それから、日本の人気者スナフキン という項。確かにムーミングッズでも、なんだかおしゃれなのはスナフキンのものな気がする。日本で人気投票をすると、スナフキンがぶっちぎって一位。他の国では、人気度は他のキャラクターとそんなに変わらないそうで…。この本では、はっきりしないキャラクターであるムーミンより、明確なキャラを持っていたからでは、とあった(ミイにも似たような点がある)。

これに関して私の意見を言うなら、単にムーミンよりいろいろな面でイケメンだからでは?かな。後はムーミンの形は好き嫌いが分かれそうだけど、スナフキンやミイはヒトに近いというのもありそう。

 

 

 

さて、この本を私が手に取ったのは、得体の知れないムーミンというキャラクターを知りたかった、というのもあるけれど、もっと大きな理由は別にある。

 

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ムーミン空港サジンデビュー。Rheum Palmatum様より) 

 

空前絶後ムーミン好きアイドル、そう、ファン・ロンジュン。

特技は?と聞かれ、「ムーミンを描くこと」と答え、似ているよりのちょっと違う絵を描いてくれる彼、ロンジュンを知りたいと思ったから。つまりヲタク的動機から。

ロンジュンがどの程度ムーミンのアニメやら、コミックやらに触れたのかは分からないけど、ムーミンの根底に流れる落ち着き、色で言うなら全てに薄く灰色がかった雰囲気が、彼に似ていると思った。

というか、もともと北欧が似合いそうな顔してるし、一回ロンジュンにはスウェーデンフィンランドで雑誌の撮影をして欲しい。

 

曖昧だったムーミンが私のなかで少しはっきりして、同時にロンジュンを思った、そんな本でした。ムーミンかわいい。