duckblueの文化的生活

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KPOPを主に、音楽、書籍、映画etc... 文化的だと思われる色々について綴る、女子大生のブログ。

【読書感想文】 アガサ・クリスティー 「そして誰もいなくなった」 を読んで

 

互いに知らない人同士が、一つの場所、それも孤島に集められ、一人ずつ人が死んでいく… 確かに気味は悪いが、読者は次の展開が気になり、恐ろしく思いながらも読み進んでしまう。いや、もしかしたら次は誰の番なのか、楽しんでいるかも。

 

ずいぶん前に読んだような気がしたが、全く話の筋を覚えていなかったため、また読んでみた。児童書だからなのかもしれないが、読みやすかった。

 

そして誰もいなくなった (クリスティー・ジュニア・ミステリ 1)

そして誰もいなくなった (クリスティー・ジュニア・ミステリ 1)

 

 

 

ザ・王道という感じ。場面設定も、なにもかも。というか、彼女がパイオニア的存在だから、当たり前といえば当たり前なのかな。

 

とっくの昔に書かれたものだけど、物語の核を成しているのは、罪って何?ということだと私は思った。

この島に集められた人は皆、人を殺してしまう、またはそうなってしまうかも、という状況をつくったりしたが、それは明確な法律違反ではない、でも、殺めてしまうだろうという意思はあった。

この話を、ただ単にトリックが秀逸な推理小説だと捉えることもできるだろうけれど、それだと読後、引っかかる部分がある。

こんな背景をもつ人を集めたアガサ・クリスティーには、どんな意図があったのかは分からないが、何か漠然と、罪って何?と、問われている気がする。

 

この話の特徴的な部分は、名探偵がいないところだ。

たいていの話なら、事件が起きた後とか、事件の最中にも名探偵がいて、この事件はここがこうで、あなたのアリバイはあれやそれで…と物語が進んでいくけれど、この話は、読者も現在進行形でいろいろ振り回されて、だんだん狂っていく皆を見ていくことになる。

そして最後、??となるまま話は一応終わり、最後の最後、種明かしが待っている。

 

私が一番ぞっとしたのは、最後の一人が死んでしまうシーン。あれは犯人がはっきりと手を下したのではないけれど、極限状態になった人は、ああなってしまうのかな…と恐ろしく思った。

そして疑問に思った事が一つ。種明かしのシーンで、初めの方の殺人のトリックがあまりにさっと流されすぎたと感じた。誰にも見つからないように…とか、それって結局運では?と思った。あの犯人、そんなに機敏に動けるのか…?

 

原題は"And Then There Were None" 原題だけ見ると、ずいぶん無機質な印象。

この体温がない感じ、気味が悪いけど、深いなあ。

女王の他の作品も、読んでみようかな。